センセーショナルな書名です。
静岡大農学部のマウス実験結果を根拠に、コンクリート住宅に住んでいると9年早死にすると主張しています。
この主張の当否について論じる前に、まずそもそも建築物にはどのような構造があるのか、その内のどれが共同住宅に適しているかについて書いてみたいと思います。
建物の構造としては、その構造体の素材によって大きく3つに分けられます。
木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造です。
木造のメリット
安価であること(RCの半額程度)
躯体が軽量なため基礎工事が簡易で済み工期が短いこと
しかし、戸建住宅なら好みの問題もあるでしょうが、賃貸住宅においては、隣家・階下との間での遮音性能を重視すべきです。
騒音のクレームが尽きず、既存の物件でも上階の音を録音し、訴訟を提起する旨を主張している入居者もおりますので。
この点、木造であっても床にクッションフロアなどのやわらかい材質のものをひけば高い音は有る程度防ぐことが出来ます。
しかし、重い音(重量の重いものを落下させたときに発生する音)は、床自体に質量がない限り振動を吸収し切れないので、木造では防ぐことは出来ません。
しかも、隣家との境界壁もいわゆるプラスターボードなので、いくら吸音材を壁内に敷設したとしてもその効果に限界があります。
火災にも弱く、火災保険料も馬鹿にならない上、シロアリ対策も必要となります。
次に、鉄骨造は鉄骨の厚みによって軽量鉄骨と重量鉄骨に区分されます。
軽量鉄骨造、いわゆるプレハブ鉄骨の構造物を採った場合もコスト面は優れていますが、遮音性の面で不安が残ります。
ただ、木造・軽量鉄骨造は一般的に建物の耐用年数が短いため、減価償却の期間も短く短期で投資を回収し、20年〜30年後に建物を解体し、敷地を長期間拘束しない、という点で優れています。
そして、重量鉄骨造とは軽量鉄骨造よりも厚みのある鉄骨を使った構造体をいいます。
重量鉄骨造は木造・軽量鉄骨造よりも1割ほど割高ではあるものの、耐久性に優れ、2階以上の床にもコンクリートを流すため防音機能に期待が出来ます。
しかし、鉄骨は熱を伝えやすいため結露から逃れることが出来ないうえ、耐久性・防音の面からは鉄筋コンクリート造の建造物に一歩譲らざるを得ません。
そこで、私はマンションの構造体に鉄筋コンクリート造(RC)を選択しました。
もちろん、鉄筋コンクリート造となれば長期間土地を拘束することになるのでリスクは高い上、木造・軽量と比べ2倍のコストがかかります。
しかし、遮音性と耐久性の高さから、共同住宅にはRCが最も適していると考えました。
そして、アパート経営のうまみは借金返済後になること(マンション建築資金は25〜35年で返済するのが通常)等から、50年以上の耐久性を有する鉄筋コンクリート造が優れていると考えました。
しかし、冒頭にご紹介した書籍は、「コンクリート住宅の住人は9年早死にする」と主張しています。
これは本当なのでしょうか?
明日からじっくりと検証したいと思います。
【豆知識】
募集広告にて、木造と軽量鉄骨造は「アパート」または「コーポ」と表記されます。
これに対して、RCや重量鉄骨造は「マンション」と記載されます。








